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obisugi design プロジェクトの地元民間チーム「日南飫肥杉デザイン会」に、南壽(ナス)敏郎さんという方がいらっしゃいます。株式会社ナス材木店として山で木を育て、伐採されたりしています。先日、ナスさんがご自身所有の山林で間伐作業をされているとお聞きし、見学・体験に連れていっていただきました。しかししかし、なんとなんと、ナスさんはたった独りで間伐作業をされていたのでした。その理由は簡単に言うと、人を雇うと採算が合わないから。 たいへん失礼な質問をしてしまったのですが、ちょっと前にナスさんに、どうやって生計を・・・みたいなことを聞いたことがありました。そのときナスさんは、たしか「コインランドリー」と言われたと記憶しています。日南市の油津小学校の近くに、ログハウス風に角材を積み上げて建てられたコインランドリーがそれです。 ナスさんは、林業や材木業、コーンランドリー経営の他にも、財団法人服部植物研究所の理事長や、地元高校の保健体育の先生、地元中学校陸上部の指導、PTA役員、日南市の人権擁護委員などなど、数多くの顔を持ち多方面で活躍されています。 ● エコプロダクツ2007(2007年12月13-15日、東京ビッグサイト)では、林業家 南寿敏郎氏のお話し会「100年先の山を思い描いて」として、飫肥杉ブース内でナスさんにお話しいただきました。 ● GW前の4/28(木)に、日南市の西のほう都城市に程近い酒谷地区の山林へ、ナスさんと飫肥杉課(カイ5代目課長、ヒラハラ副課長、ワタライ、クラオカ、ボクの5人)で行きました。 間伐の現場に到着したナスさんが、チェーンソーなどの道具の準備を進めます。愛車の黄色いジープ横のナスさんから、山の男のオーラが出ていました。 集材機とその燃料、チェーンソー程度の道具だけを持って、間伐予定の場所へ向かいます。ナスさん所有のこの酒谷地区の杉山は約15haです。15haとは、100m×100mが15個分。この場所の飫肥杉は43年生で、ボクより年上でした。 すでにナスさんが(たった独りで)間伐した場所は、太陽の光が差し込んでいます。 土砂崩れ防止のために切り株は残します。次に植える杉が大きくなるころには自然に腐って、邪魔にはならないのだそうです。 これから間伐しようとする場所を見ると、たしかに飫肥杉が密集しています。ある程度は密植(密集して植林)しないと、良い杉には育ちません。密集した杉が育っていくと、下の方の枝には日光が当たらなくなり枯れ落ちます。これが大事です。下の方まで枝が残ったまま大きく育ち、それを伐採すると節だらけの杉材が出来てしまいます。 それに、杉は枝の下の幹が太くなるそうです。どんどん太く育てるためにも、枝はなるだけ上の方にだけ残します。直径5-10cmの頃に枝打ちをすると、無節の柱材がとれるのだそうです。 まっすぐな良い木を残して間伐していきますが、間伐する木には、あらかじめ白いテープで印がつけてあります。たまに二股に(Yの字のように)幹が分かれている木がありますが、その股下で4m材がとれるようなら間伐せずに残すそうです。 つまり、育ちの良くない木を間伐していき、5年ごとぐらいで密度管理します。 すでに伐採してあった杉を、ナスさんがチェーンソーでカットしていきます。市場に出荷する長さに切る「玉切り」という作業です。 飫肥杉は、根っこの方が太くて、上に伸びるほど先が細くなっていきます。市場では細い方(つまり上の方)の直径で材積をはかるので、先細りがはげしい杉の場合は、4mではなく3mでカットした方が、その杉1本の計算上の材積はUPします。 でも、トラックに積んで市場に運んでいく際には、4mだろうが3mだろうが1本は1本です。材積重視か運搬効率重視か。 この杉からは、4m材が4本とれました。材積を計算してみました。 丸太の材積測定方法 丸太の材積=末口(細い方の切り口)の直径×直径×長さ この日の飫肥杉は、①元玉(一番下の4m材)の直径が25cm、②2玉目(下から2番目の4m材)の直径が18cm、③3玉目の直径が12cm、④4玉目の直径が8cmでしたので、 ①元玉の材積 0.25×0.25×4=0.25m3(立法メートル) ②2玉目の材積 0.18×0.18×4=0.13m3 ③3玉目の材積 0.12×0.12×4=0.057m3 ④4玉目の材積 0.08×0.08×4=0.025m3 となり、1本の材積合計(①~④の合計)は、0.462m3となります。 末口の直径で値段が変わってくるので、平均の値段が1万円程度だそうで、1本(この日は4m材が4玉とれた)の価格は、1万円×0.462m3=4,620円/本です。これを4玉で割ると、4m材1本あたりたったの1,155円となります。 ナスさんコメント(心の叫び) 「どうだ安いだろー」 43年前にナスさんのお父さんが植えられ、その後、下刈したり枝打ちをしたり、5年ごとには密度管理、間伐をして、ようやく伐採して4mの丸太になったら、それがたったの1,155円。どう思われますか? ワタライも玉切りに挑戦! この勇姿を「へっぴり腰」と言うことなかれ! 彼はこの日の体験作業で、自らすすんでバリバリ働きまくった男なのですから。 丸太の上から半分までチェーンソーを入れ、そして次は下から半分まで切ります。ワタライは見事にそれが繋がらず、すいかのような余りを生み出しました。でも、とても嬉しそうです。 玉切りが済んだ丸太は、集材機から引っ張ってきたワイヤーを引っ掛けて、集材機に積みます。 クラオカも働きます。 もちろん、ワタライもじっとしていられません。 ご覧のとおり、切り落とした枝などが、結構なボリュームで山に残ります。 ナスさんによると、間伐ではなく全伐(伐採する木を選ばずに、一定エリアの木を全部伐採)だと、伐った1本をそのまま土場まで運び、そこで枝を切り落としたり4mの長さにカットしたりするので、山に枝などが残らないそうですが、これは土にかえるモノが山に残らない、ということなのだそうです。 たった独りでこの作業を繰り返されているナスさんは、たった独りで黙々とマイペースで、1日にだいたい15本ぐらい間伐されています。(1日に間伐する本数は材の大きさにもよるようで、今回の山はまだまだ小さい木が多く、15本/日程度だそうです。1日4本ぐらいの間伐で済むようになるには、あと30年くらいはかかるとも言われていました。)間伐は、どれを切るか選んだり、切った材を運ぶにも立っている(残すことにした)木にぶつからないように注意したり、ほかにも多くの手間がかかります。大型の機械が入るスペースもありません。 クラオカもチェーンソーでの伐採にチャレンジ! クラオカが入れた切り込みは、まるで歌っているか笑っているかのようです。 なんだか神秘的な音をたてながら倒れていった飫肥杉。 クラオカも満足そうです。 彼が切った断面は、きれいじゃないけど美しい。 こちらはナスさんの断面。 最後に記念撮影。 (左から、クラオカ、5代目、ナスさん、ヒラハラさん、ワタライ) もう1枚。 (右端がボク) ナスさんの、飫肥杉に対する使命・愛情・情熱が、ビンビン、ビンビン伝わってきました。 ありがとうございました。 5/17 ナスさんからメールが届いた。 「うちの奥さんがこのブログを見て、初めて私の仕事内容を知ったそうです。」 お役に立てて良かったです!
by obidara
| 2011-05-13 17:38
| オビダラ家の人々
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