チョロ船は、油津に伝わる伝統的な木造帆船である。平均的なチョロ船は、長さ五尋二尺(約8.1m)、幅八尺(2.4m)、帆柱は船の長さより少し長めの六尋(約9m)と補助用のチャンコ帆があった。櫓は通常一丁立てで、地元の飫肥杉で作られていた。
チョロ船では、近海(油津の尾伏鼻十二海里沖まで)を漁場としており、延縄漁や一本釣りで、シビ、マビキ(シイラ)、ゲンバ(カジキマグロ)を主に釣っていた。
昭和26年頃には120隻ほどあったチョロ船も、小型動力船の建造が増えて、昭和34年には20隻ほどとなり、昭和30年代に姿を消した
その後永らく油津から姿を消していたが、平成12年に油津の有志により「チョロ船を復元する会」を結成。市民の寄附も募って、約半世紀ぶりに、当時の姿が復元された。復元は、油津出身で日本海事史や造船技術史の研究家、山形欣哉氏が発案し、地元油津有志がそれに応えて、元船大工大野吉夫氏(当時71歳)が腕をふるった。
その後、日南市産業活性化協議会(NIC21)が国土交通省の支援を受けて2艘目を復元して、油津港まつりや堀川運河まつりなどのイベントや小中学校の総合学習などに使用されている。